PI(プラント情報)システムバリデーションの習得:成功のための「グローカル」戦略

by Valeria Famiglini, CSV/CSA and Data Integrity Consultant & Junior Project Manager @PQE Group

グローバルとローカルのアプローチ 

複数の製薬企業のサイトで実施したPIバリデーション(データヒストリアン導入)プロジェクトを通じて、PQEはこのタイプのシステムに適用すべきバリデーション戦略について深い知識を得ることができた。すなわち、品質基準を確立しながら、労力とコストを削減することができた。

以下に示す、グローバルおよびローカルアプローチの違いを簡単に説明し、「グローカル」という中間戦略の利点を紹介する。

ローカルバリデーションは、事前に定められた文書やステークホルダーの関与、ローカルユーザーや特性に特化した手順を基にカスタマイズされたモデルを通じて特定のサイト(製造所)に合わせたPIのインストールとクオリフィケーションフェーズのプロセスを提供する。この方法は、例えば、1つまたは少数のサイトがPIをデータの履歴システムとして選ぶが、他のサイトでは同様の利用をしない場合に適している。このアプローチはデータのグローバルアクセスを活用しないスタンドアロンシステムに適している。

グローバルアプローチは、複雑なシステムや、システムの使用による主な価値が複数のサイトにわたるグローバルな影響を反映する場合に確実に有効である。純粋なグローバルバリデーションには、グローバル環境と、適用されるサイトで再現されないあるいはクラウドプラットフォームのコンフィギュレーションに適用可能な標準テストのセットを含めることができる。

PI System Validation_Banner

戦略的解決策としてのグローカル 

PQEグループの知識に基づくと、PIシステムの主な目的と、それが多国籍企業にもたらす利点は、世界中の異なるユーザーがいつでもどこからでもデータにアクセスできるように、リアルタイムまたは保存されたデータをグローバルに利用可能にすることである。グローバルバリデーションアプローチは、適用すべきモデルの標準化をターゲットとしてよく使用され、グローバルな文書をローカルな事象に適用する形で活用される。

提案された戦略は、データアーカイブモジュールのためのコアプラットフォームインストールから、監視されるべき適切な発生(イベント)のための特定の機器とプロセス(資産)のためのモデルを構築するために、プラントからのコンテキスト化された生データを提供するアセットフレームワークおよびイベントフレームPIコンポーネントに至るまで、さまざまなレベルで使用される。

グローバルアプローチとローカルアプローチの違いについて議論した内容に基づいて、「グローカル」という用語は、実行された戦略の考え方をうまく表している。これは、ローカルなプロセスオーナーシップから始まり、サイト固有のデータソースをPIコアアーカイブに送信するためにローカルプラントからインターフェースノードを介して送信し、モデル、文書、手順、および集中型PIコアモジュールに関してグローバルに標準化されたアプローチを活用するものである。

特に、グローカルの哲学は、以下のケースヒストリーで説明されているように、さまざまなアプローチに適用されている。:

  • 関連するインターフェースノードを通じてのグローバルPI環境ローカルPIプラットフォーム:このアプローチは、グローバル環境が利用可能で、複数のノードがインストールされており、プラントからローカルPIプラットフォームにデータを収集し、ローカルPIアーカイブからグローバルプラットフォームにデータを送信する場合に使用される。2つのデータリポジトリ(グローバルとローカル)が利用可能で、異なるアクセス権限がある。; 
  • 適用サイトからのサイトインターフェースを通してのローカル環境にインストールされたグローバルPI:この場合、サイトが「グローバルプラットフォーム」としてデータアーカイブモジュールを使用し、ローカルレベルではサイトインターフェースのみがインストールされ、データがコアプラットフォームに送信される。ローカルPIシステムはインストールされておらず、1つのリポジトリのみが利用可能。

両方の戦略は、グローバルレベルで作成された定義済みのバリデーション文書が使用され、新しいサイトがコアシステムとインターフェースされる際に、それを活用または更新する。ローカル機能をカバーするために、インストールされたPIプラットフォームやデータソースのインターフェース設定に基づいた適切なサイト文書が作成される。

グローカルアプローチは、グローバル環境が利用できない場合でも、ローカルソリューションを活用することによって、グローバルモデルを使用できるようにし、時間と必要な発行文書を削減する。

 

グローカルの利点を表す三つのキーワード 

グローカルバリデーションアプローチの利点をまとめると、次の三つのキーワードで重要なポイントを説明でる::  

  • 時間 – 限られたステークホルダー、文書、および特定された一つのアプローチ。
  • コスト – システム導入と必要なサポートにかかるコストが低い。
  • 品質 – 統合的アプローチの確立により、グローバルレベルで標準化された手順を可能にし、高い検出可能性に基づいて標準モデルからの逸脱リスクを下げる。

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