データインテグリティのコンプライアンス:コンプライアンス達成の対策

by: Gerardo Vece - Executive Consultant @PQE Group

近年データインテグリティへのコンプライアンスが医薬品業界にとって重要さを増している。 

真に重要なのはデータであるというハイレベルの認識と共に、データインテグリティの原則に関する知識が医薬品分野全体に浸透しているにも関わらずデータインテグリティの議論の際に論点がコンピュータ化テムである場合が多く、紙(書式、ログブック、バッチ製造記録等)に手書きされたり保管されるデータやプロセスが取り上げられることは殆ど無い。

 

Data Intergity Compliance_JP_site banner

企業はデータインテグリティ(DI)に適合するためにどの様に取り組めば良いのか?

コンプライアンスを保証するための中心的な方針のひとつは、企業文化を通じて意識を高めることである。従業員がDIの重要性を認識し、企業の品質管理システムでDI要件を常に意識し、ポリシー、SOP類、文書の作成管理、コンピュータ化システム管理、保存、トレーニングなどの業務全体に組込まれていることが必要である。 

企業のDI文化を深化させるための最善のツールは、従業員向けにうまく構成されたトレーニングプログラムであり、それは単にDI要件をの述べただけでなく、それに対する不適合によって企業が直面するであろう潜在的な結果も含むものである。この様なツールによって、従業員は十分に要件を理解し、それらを順守して維持することの重要さを認識するであろう。 

データインテグリティのプログラムに何を含めれば良いのか?

確かに、プログラムのスコープを取り決めた詳細なプロジェクトプラン、活動計画、および期限付きの日程計画の策定とともに負担の大きいプログラムのための基盤が作られることがある。

その様なプロジェクト計画は以下の二つの基本的な取り組みを考慮すべきである。 : 

  • フェーズ1: ある分析がQMSDI要件の食い違いに直面し、それを解消するための是正措置および予防措置(CAPA)が策定されて、埋めなければならないギャップのリストが明確化される。CAPA計画の導入はポイントゼロまたはスタート地点となり、QMSに導入された全ての施策は、既にDI要件に適合している。 
  • フェーズ2: CAPA計画の導入前に企業に導入されていた全てを評価するためのプログラムが、DI要件に完全に適合するために開発されたものである。このフェーズは、主要な業務プロセス: 異なる領域で採用/導入されている文書、GMPに関わる分析機器およびシステム等の分析に注力する。分析のゴールは、CAPA計画を通じて埋める必要がある特定されたギャップであり、全ての既存プロセスをDI要件に適合させるための改善計画を導くものである。 

この戦略はフェーズ1の完了から導入された全てのものがDI要件に適合し、フェーズ2の成果は既存の全てのものが適合していることである。フェーズ1の導入に費やされた時間は、改善計画段階での項目の改版リストを短くするなど、フェーズ2をより凝縮されたものとする。 

両方のフェーズは以下により構成される:

  • ギャップを分析し、実施すべき活動を明確化するためのサブフェーズの調査 
  • 導入のために必要な活動

両方のフェーズを同時に導入することは、完了を困難にすることが明らかであり、各活動の重要性のレベルの差異や短期、中期または長期のような実施期限と構造化された改善計画を含めた階層的なリストを作成するための、リスク評価をベースにした優先度を設ける事が不可欠である。 

導入フェーズにおいて、DI規則とQMSの間の相互作用が重要なキーとなる。なぜならばそれは以下の要件を確実に行うためである: 

  • 期限の詳細がプロジェクト計画に含まれる 
  • 計画された活動と実現された活動の間の一致 

相互作用はどの様に計画された活動と実現された活動の間の実践事項を変換するのか? 

QMSは、三つの主要な方針を確実にするために、DI規則への適合に至るプロセス、プロジェクトの全ての局面をCAPA等の品質管理に関わる企業ツールへ転換、変更管理と積極的参加を管理しなくてはならない: 

  • トレーサビリティ 
  • DI分析の過程で特定された事項の正確な導入
  • 導入のための全活動の継続的なモニタリング 

これらの3つの方針は、それぞれが完全なコンプライアンスに到達するための基盤として、以下に述べる理由のおいて、全体計画および分析フェーズにおいて同等の重要性を有する。 

トレーサビリティ

DI分析の過程で特定された事項とともに実線された活動と連携し、プロジェクトが堅固で潜在的な要件や規制当局や顧客による検証に対応可能である。 

正確な導入 

常に当初の要件および必要とされ実施された変更を忘れずに、分析の過程で特定された事項が的確に導入されたかを検証する。(例、変更の実施とトレーサビリティの保証のためにDI分析結果のレビューを行う) 

モニタリング 

全ての期限が守られていることを保証し、起こり得る遅延を管理し、トレーサビリティと正確な導入を保証することは、全て無駄な努力を排して根本的な役割を果たし、サイトがDI規則に対して完全に適合することを保証するための全要素である。 

結論

データインテグリティへの適合は、サイトがデータインテグリティ規則に完全に適合していることを確約することである。そのようなプロセスは、全ての従業員がDIの重要な特質を認識している企業文化、および企業が適合のステータスに到達することを保証するプロジェクト全体の進行のステータスのモニタリングを構築しなくてはならない 

規則に準拠していますか?

PQE Groupは、製品のコンプライアンス達成、新規手順、ツール、ソフトウェアの導入において、お客様のビジネスをサポートいたします。

サポートに関する詳しい情報は,  データインテグリティアクセスいただくか、お問い合わせ ください。


クオリティ・コンプライアンス関連