最新のガイドライン
Q13 原薬および医薬品の連続製造は、連続製造の開発、実装、運用、ライフサイクル管理に関する科学的および規制上の考慮事項を説明する新しいガイダンスです。このガイダンスは、連続製造の概念を明確にし、原薬および医薬品の連続製造に特有の科学的アプローチと規制上の考慮事項について説明しています。
連続製造(CM)の考慮事項
このガイドラインでは、食品医薬品局(FDA)やその他の規制で期待されている主な事項、適正製造基準、および、連続製造を成功させるために重要な事項を満たす基本として、バッチからの産出物と連続工程からの産出物が、同等の品質を備えている必要があるという前提が提供されています。
承認されたバッチ工程を連続製造工程の外観に変更したい製造業者は、最初に規制当局の承認を取得する必要があります。
規制上の考慮事項
規制上の考慮事項
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注目分野
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国際共通化資料(CTD)提出に関する重要な側面
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製造工程と工程管理の説明
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- 工程フロー図と要約された工程段階 (起動、シャットダウン、一時停止、再起動などを含む)
- 材料の収集と輸送の方法
- 制御点の箇所を伴う連続フローに関連する工程パラメータ
- 選択された機器の設計、構成、システム統合の重要な側面
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制御戦略
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時間をかけて作られた産出物が望ましい品質であることを確認する必要があり、次を考慮する必要があります。;
- 投入材料の変動による影響
- 制御、サンプリング、データ評価を含む工程監視の説明
- システムの運用方法
- 材料転換のトリガー戦略
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バッチの説明とバッチサイズ
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- 適切な定量的指標に基づく商用バッチのバッチサイズや範囲の定義アプローチ
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工程モデル
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- ライフサイクル全体にわたるモデルの開発、バリデーション、メンテナンスの詳細
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原薬および製剤の安定性
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バッチ工程の連続製造への変換
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- 製品の比較可能性を確立し、生物学的同等性、臨床試験と非臨床試験、および安定性データの必要性を評価するには、リスクベースのアプローチを使用する必要があります。
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工程バリデーション
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- 地域ごとに確立された工程バリデーションの要件は、連続製造でもバッチ製造工程でも類似しており、一定数のバリデーションバッチの同じ標準アプローチに従うこともできます。
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Pharmaceu医薬品品質システム(PQS)
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- PQSに対する期待は、関連するICHガイダンスに従うと、バッチでも連続製造の工程でも同じです。不適合品転用についての戦略を明確に定義する必要があります。
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不適合品の転用
バッチサイズの製造工程では、不適合品の分離を明確に定義できます。通常、良い製品と悪い製品の間の境界線を定義する方法を説明する手順が定められています。連続製造に対しての期待もこれと変わりませんが、ここでは転用の概念が重要になります。転用とは、製造工程において、材料を、製品の流れから離して分ける手順で、これにより、管理戦略とサンプリング手順に基づいて、多様な製品に異なる方法でアプローチできます。
結論
本質的に、この新しいICH Q13ガイドラインは、2つの事項が関連しています。1つは、他のものよりも範囲が広く、一般に、同じ傘下に入れられる医薬品とAPIだけでなく、それらの種類の工程に含まれる、境界が明確ではないバイオテクノロジー/生物学的工程も考慮に入れていることです。
2つめは、連続製造は、基本的にバッチサイズの製造工程と同じ要件であることです。一貫した適正製造基準の実施、生産前および生産後の作業に対する堅牢な品質保証、堅牢な管理戦略の確保、製品の安定性の保証など、全体的に理にかなったことが、連続製造にも重要な事項です。
本当に興味深いことは、これまでのすべての事項をCTDでできるだけ明確に説明し、リスクベースのアプローチに従い、承認する必要がある人たちに明確にすることを、最初の課題としていることです。これらのタイプの製品と工程のライフサイクルをどのように維持するかが、次の取り組みになります。こういった指示が与えられています。
参考文献