バリデーションライフサイクル: コミッショニング vs クオリフィケーション

by Andrea Vignoni, Pharma CQV Expert & Senior Consultant

バリデーションは、製薬業では不可欠で、最高の品質とコンプライアンス基準の確保に、連携して機能する2つの主要なフェーズが含まみます。このフェーズとなるコミッショニングクオリフィケーションは、医薬品が厳しい規制要件と顧客の期待への合致を保証するように慎重に実施されます。コミッショニングフェーズは、バリデーションプロセスの最初のステップとして、まず実施されます。これは、工場受け入れテスト(FAT)サイト受け入れテスト(SAT)という2つの重要なコンポーネントで構成されています。コミッショニングフェーズが正常に完了すると、機器の所有権が顧客に譲渡され、この重要なフェーズの完了となります。

次のフェーズ、据付時および運用時適格性評価 (IQ/OQ)では、顧客が中心となり、適正製造規範(GMP)を含む、業界標準の品質ガイドラインと製薬の規制を厳守することで管理する、テストおよび評価手順を実施します 。このフェーズは、単なる手順上のハードルではなく、製薬の生産プロセス全体を通じて最高レベルの品質と規制遵守を保証する不可欠な安全策です。

Commissioning vs Qualification_Site Banner

バリデーションの各フェーズの概要

バリデーションプロセスを明確に認識するには、バリデーションがプロセス全体を指しており、コミッショニングとクオリフィケーションは、そのプロセスに含まれるフェーズであることを理解することが重要です。

バリデーションプロセスには、コミッショニング作業とよく似たクオリフィケーション作業があるため、フェーズとその意味が混同されることがよくあるのですが、似ていても、目的、影響、その後のステップが異なります。

 

コミッショニング(FAT/SAT)   

コミッショニングは、サプライヤーが提供するフェーズで、サプライヤーサイトでの工場受け入れテスト(FAT)と、顧客サイトでのサイト受け入れテスト(SAT)に分かれます。コミッショニングは、契約に従って、顧客に販売および納入された機械および機器が、顧客のニーズや正式なユーザー要件(URS)に従って、設計および製造されたことを保証するために必要です。適切なコミッショニングの実施は、最終的な範囲と最終的なクライアントの要件を常に考慮して、独自基準で品質保証を行う、サプライヤーの最優先となります。

顧客の品質部門やプロセス手法/SOPは、コミッショニング中に関与しません。このため、品質とプロセスの観点から、FATSATでの顧客の立ち会いは必須ではありませんが、完了したものを確認することは依然として望ましく、それが契約で合意された内容と正確に一致していることの確認が重要です。

コミッショニングの最終ステップは、サプライヤーから顧客への機器の引き渡しであり、その後、顧客が正式に所有者となります。

 

据付時および運用時適格性評価(IQ/OQ) 

 バリデーションのこのフェーズで、最終の顧客が機器の所有者となります。 その唯一の責任は、市場で提案されている最終製品の範囲を考慮して実行する必要があるプロセスと生産の種別に基づいて、製薬のガイドライン(GMP等)や社内運用手順に従った、正確な品質基準に基づいて、機能と作業のテストと評価をすることです。 

 

コミッショニングとクオリフィケーションの技術的な違い

コミッショニングは、サプライヤーと顧客の間の合意であり、その実施に必要な文書は、品質プロセスを考慮せずに、「スタンドアロン」システムとして、機器の機能に焦点を当てて、作成できます。

クオリフィケーション文書は、関係機関の規制部門に提出する必要があるため、より高度に規制され、製薬プロセス全体に適合する必要があります。理論的には、クオリフィケーションは、プロセス全体を通じて、最終医薬品の品質を保証する必要があるフェーズのみを指すようにします。

 

クオリフィケーションの最終的な範囲 

最終的な目標は、その目的を専門とする規制当局から医薬品(薬)の製造許可を取得することです。

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