ブログ

獣医師と業界にとって、なぜファーマコビジランスが重要なのか

作成者: Leonardo Giraudo|2023/05/30 0:00:00

ファーマコビジランスは、医薬品に関連する、疑わしい有害事象やその他の問題の検出、評価、理解、予防についての研究とその活動をおこなう。

 

動物用医薬品(VMP)で治療される種やその品種の数は非常に多いため、有害事象を認識して正しく管理するには、さまざまな病状や動物の行動に合わせてこれらの製品を特化する必要があります。動物は人間と直接コミュニケーションをとることができないため、獣医師が、動物の行動を具体的な臨床証拠に変換し、投与された動物用医薬品が期待どおりに機能しているかどうか、動物に有害な反応を引き起こしているかどうかを理解できる人物となります。2022年1月施行にされたRegulation (EU) 2019/6では、動物用医薬品の使用後に発生したすべての疑わしい有害事象(SAE)が、その医薬品の安全性の管理に責任を負う製造販売業者(MAH)または所轄官庁(CA)に適切に報告され、医薬品の利益とリスクのバランスに対する影響を評価することを保証するために、新しい規則が制定されました。

新システム導入後の初期結果としては、2021年に報告された6万件に対し、2022年には非重篤な症例も含めて16万件以上の症例がEudraVigilance Veterinary(EVVet)に報告があり、1人の製造販売業者からの未処理件数は3万件となっており、企業や獣医が投与する動物用医薬品の安全性と動物の健康に対して敏感であることがうかがえます。ヒト用医薬品と比較して、動物用医薬品の安全性と有効性については販売承認前に広範な試験が行われていますが、動物や使用者が経験する可能性のある有害事象に関する情報は依然として限られてしまっています。特定の相互作用や稀な有害事象、特定の品種や動物グループに特有の事象は、製品がより広く使用された場合にのみ確認されることが考えられます。獣医学における疑わしい有害事象の報告の主な情報源は、動物医療専門家(aHCP)、まさに獣医師です。新しい規制により、獣医師は公的に動物の健康と環境の保護の主役となり、動物用医薬品の有効な使用に貢献しています。