パンデミックによる実地査察の減少により、査察におけるFDAのDI(データインテグリティ)関連の指摘は少なくなった可能性があるが、パンデミック後の現在も、DIは査察における重要な確認項目である。本ブログでは日本ではあまり実施されることがないシステム全般にわたるDI GAP アセスメントの重要性を解説している。手間と時間はかかるが問題点や全体像の把握ができるため、査察準備という点では大変重要な活動であるといえる。(PQE Japan註)
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製薬業界では、製品の安全性、有効性、品質を確保するために、規制の遵守が極めて重要である。このコンプライアンスの重要な側面として、データインテグリティが挙げられる。これは、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)などの規制当局が定めたガイドラインや規制を遵守していることを証明しなければならない製薬企業にとって不可欠な要素である。この観点から、データインテグリティ・GAP・アセスメントは、FDA査察に適切に備えるために不可欠なツールである。GAPアセスメントは、現行のシステムまたはプロセスと、規制要件またはベストプラクティス基準との間の不一致を特定し、分析することを目的とした体系的なプロセスである。具体的には、データインテグリティの場合、このアセスメントは、企業が収集・管理するデータの完全性、一貫性、正確性を検証することに重点を置く。